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金属・製鉄・鋼業業界におけるロータリーバルブの選び方

鉄鋼や非鉄金属の製造現場では、酸化鉄やオイルコークス、けい砂など、極めて硬度が高く高温となる原料を大量に扱います。このような過酷な環境下で一般的なバルブを使用すると、わずか数週間でボロボロになってしまいます。そのため、メンテナンス頻度を下げてラインの稼働率を維持するには、環境に耐えうる強靭な仕様のバルブを選定する必要があります

こちらの記事では、重工業の心臓部を支えるロータリーバルブを選定する際のポイントを詳しく解説します。

金属・製鉄・鋼業業界に向いているロータリーバルブとは

金属・製鉄業界で取り扱う亜鉛やコバルト、鉄粒などの原料は、比重が極めて重く、粒子が鋭利で硬いという特徴を持っています。そのため、バルブの内部には常に強烈な衝撃と摩擦が加わります。ここで標準的なバルブを使用すると、原料の重みによる軸のたわみや、粒子の衝突による金属疲労の影響で短期間に破損してしまいます。

こうした理由から、金属・製鉄・鉱業業界においては、筐体そのものが構造物として強固な重工業専用設計が必要となります。

高剛性・肉厚設計

金属・製鉄・鋼業業界に向いているロータリーバルブと標準機との大きな違いは、鋳物の肉厚軸の径の2点が挙げられます。

まず、硬い原料の衝突音(騒音)を抑えつつ、内側からの摩耗に対して十分に削られる代(しろ)を確保した重肉厚構造。そして、ローターのポケット(室)に鉄粒やコバルトといった重量物を大量に乗せても、軸がコンマ数ミリもしならない強度を持った高剛性シャフトが不可欠です。もし軸がたわんでしまうと、羽根の先端が本体内壁をガリガリと削ってしまう”カジリ”の原因となるためです。

耐熱仕様

製鉄所の高炉周辺や原料を乾燥させる工程では、バルブ内を通過する粉体が数百℃に達するケースも珍しくありません。そのため、熱膨張を計算に入れたクリアランス設計が求められます。

金属は熱で膨張する性質を持っており、常温でピッタリのクリアランスでは、熱を持った際にローターが膨張し、本体と接触してロックしてしまいます。高温になることを見越して、あらかじめ広めの隙間を設けるよう設計します。

また、通常は本体に内蔵されている軸受(ベアリング)を、耐熱仕様では本体から突き出す形で外側に配置(アウトボード構造)します。これにより、内部の熱が直接ベアリングに伝わるのを防ぎ、グリスの焼き付きやベアリングの破損を回避できます。万が一、粉体がシール部を突き抜けたとしても、そのまま外部へ落ちる構造のため、ベアリングを傷めずに済む仕様です。

金属・製鉄・鋼業業界の現場を悩ませる課題と対策

酸化鉄・けい砂等による極度の摩耗対策

酸化鉄やけい砂は非常に硬い性質を持ち、バルブ内部は常にサンドブラストを当てられているような状態になります。そのため、ケーシングやローターが急激に摩耗して気密性が失われ、粉塵の吹き上げや輸送トラブルが頻発する原因に。また、削れた金属粉が原料に混入することで、製品の純度や品質の低下を招きます。

これらの摩耗問題に対しては、ローターの先端や内部にステライト肉盛やタングステンカーバイドを施工して超硬度な表面を形成する、あるいは金属を凌駕する硬度を持つセラミックを内張りにし、半永久的な耐摩耗性を追求するといった対策が有効です。

オイルコークス・炭酸ニッケル等の付着・ブリッジ対策

オイルコークスなどは特有の粘性を持ち、炭酸ニッケルなどの微粉は水分を吸うと強固に固着します。これらの現象が起きると、バルブ内部に原料が堆積して有効容積が減少し、計画通りの供給量を確保することが難しくなります。さらに、固着した原料がローターをロックさせることで過負荷がかかり、駆動系の破損を引き起こします。

対策としては、特殊コーティングによる付着の抑制回転しながら壁面を削り落とすスクレイパー付きローターの採用、内部に圧縮空気や窒素を吹き込んで粉体の停滞を物理的に排除する(パージ機能)などの方法が取られます。

硫酸ニッケル・フラックス等による腐食と化学反応対策

硫酸ニッケルなどの化学的に活性な原料や、吸湿して酸・アルカリ性を示す原料は、金属を激しく腐食させます。バルブ本体の肉厚が腐食によって減少すると強度が低下し、最悪の場合はケーシングが破損して原料が飛散します。また、シール部が劣化することで、有毒な粉塵やガスが外部へ漏洩する安全上のリスクも生じます。

この過酷な環境下では、適切な耐食材料の選定が必須です。基本となるSUS316Lの採用に加え、さらに腐食性が高い場合にはハステロイやチタンといった高級耐食合金の導入を検討します。また、シール材にはフッ素樹脂(PTFE)や特殊合成ゴム(フッ素ゴム等)を使用し、薬品による膨潤や劣化を徹底的に防ぐ必要があります。

メンテナンスと設備選定のポイント

部品交換を容易にするセグメント構造

ロータリーバルブの設備選定においては、メンテナンス時の部品交換のしやすさも極めて重要なポイントです。

酸化鉄や鉄粒などの硬い原料を扱う場合、金属摩耗を完全にゼロにすることは不可能です。そのため、バルブ全体を消耗品と考えるのではなく、摩耗する部分のみを分割して交換しやすい設計を取り入れます。例えば、ローターの羽根先(チップ)やボディーの内壁(ライナー)をボルト留めで別パーツ構成にする仕組みを「セグメント構造」や「チップ交換式」と呼びます。

数トン規模のバルブ本体をクレーンで吊り上げて丸ごと交換するには、多大な工数と費用がかかります。しかし、セグメント構造を採用することで、摩耗した羽根の先だけを現場で容易に交換できるようになります。結果として、メンテナンスにかかる時間を数日から数時間に短縮でき、ランニングコストの削減に繋がります。

異常予兆の検知(スマート保全)

最新の重工業プラントでは、IoTを活用した予知保全システムの導入が進んでいます。これは、ロータリーバルブの駆動モーターにかかる負荷(トルク)をリアルタイムで監視する仕組みです。例えば、硬い原料が隙間に噛み込み始めた場合、瞬間的にトルクのスパイク(急上昇)が発生します。また、内部に原料がこびり付くと回転抵抗が徐々に増し、ベースとなる平均トルクが右肩上がりに上昇していきます。

このように、バルブが完全にロックしてモーターが焼損したり、軸が折れたりする前にアラートを出し、自動で逆転・停止させる機能を搭載することで、致命的な設備故障を未然に回避できます。このスマート保全の仕組みによって、計画外の突発的なライン停止をゼロに近づけることが可能になります。

まとめ

金属・製鉄・鋼業業界で使用されるロータリーバルブは、解説したように過酷な現場環境に耐えうる強靭な専用設計が不可欠です。高剛性・肉厚設計や耐熱仕様をベースに、原料特性に合わせた摩耗・付着・腐食対策を講じることが安定稼働の鍵となります。

また、部品交換が容易なセグメント構造や予知保全システムの導入など、メンテナンス性を考慮した設備選定も非常に重要です。以下の記事では、ロータリーバルブのメンテナンスや、よくあるトラブルの原因についてさらに詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。

ロータリーバルブのメンテナンス

ロータリーバルブでよくあるトラブルの原因

扱う材料が異なる業界から選ぶ!ロータリーバルブメーカー3選
    材料を設備へ供給してくれるロータリーバルブ。扱う材料の粒度や粘性、温度などに合わせてバルブを選ぶことで、生産効率を向上したり、故障によるコストを削減したりしてくれます。 ここでは扱う材料が異なる業界からおすすめのロータリーバルブメーカーを紹介します。
SITUATION 1

豊富な選択肢から
適切な機種を
提案してほしい

フルード工業
フルード工業
引用元HP:フルード工業株式会社公式HP(https://www.fluideng.co.jp/)

フルード工業の特徴

フルード工業は、今回調査したメーカーのなかでも最も多い26モデルのロータリーバルブを展開(※2)。これまでの経験を活かし、豊富なラインナップから粉体に応じて適切に機種選定することを得意としています。

※参照元2:フルード工業公式HP (https://www.fluideng.co.jp/products/feeder/rotary_valve.html)

公式HPで「選定力」
について詳しく見る

詳細を見る

SITUATION 2

製造ラインも含めて
総合的
提案してほしい

ツカサ工業
ツカサ工業
引用元HP:ツカサ工業株式会社公式HP(https://www.tsukasa-ind.co.jp/)

ツカサ工業の特徴

ツカサ工業は、製造ラインも含めた総合的な提案にも強みのあるロータリーバルブメーカーです。顧客へのヒアリングを通して、粉体の総合エンジニアリング企業ならではの視点で問題点を分析し、課題解決につながる1台を設計・製造しています。

公式HPでラインナップを確認する

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SITUATION 3

海外拠点にも
国内と同様に
提案してほしい

アイシン産業
アイシン産業
引用元:アイシン産業株式会社公式HP(https://www.aishin-sangyo.co.jp/)

アイシン産業の特徴

アイシン産業は、日本だけでなく中国やタイ、インドといった海外に拠点を持ち、世界中に顧客を抱える粉体用マシンの専業メーカーです。現地に日本の技術員を派遣し、日本の技術と品質を海外でも展開。顧客の依頼に対し、スピーディーな製造、サポートを行っています。

公式HPでラインナップを確認する

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※選定条件
2023年6月19日時点、Googleで「ロータリーバルブ」を検索した際に公式HPが表示された会社のうち、公式HP上にロータリーバルブの図面、仕様、寸法といった情報が記載されているメーカーを選定。
上記条件に絞った23社のうち
① フルード工業:ロータリーバルブのラインナップが一番多い
② ツカサ工業:製品すべてがオリジナル仕様に対応している旨を記載
③ アイシン産業:ロータリーバルブのラインナップが2つ以上あり、もっとも多く海外拠点を有している