食品・飲料業界では、粉体輸送や原料供給の工程において、ロータリーバルブが広く使用されています。
しかし、選定や設置方法を誤ると、異音の発生や詰まり、金属コンタミといったトラブルを引き起こす可能性があります。本ページでは、実際の活用事例をもとに、現場で直面した課題とその解決策を整理してご紹介します。
※Googleで「食品・飲料業界 ロータリーバルブ 事例」と検索した際に上がってきた食品・飲料業界のロータリーバルブの事例を紹介しています(2025/10/27時点)。
ある食品メーカーでは、粉末食品の製造ラインで使用していたロータリーバルブから発生する異音に悩まされていました。
扱っていたのは固着しやすい粉末で、過熱・粉砕・乾燥工程を経る中、原料の含有水分や周囲温度の変化により、わずかな結露が生じると付着や固着が一気に進んでしまう厳しい条件でした。また、空気輸送ラインのエアシール用として用いられていたため、上下圧力差に耐えられる機械剛性と食品ラインとして分解清掃がしやすいサニタリ性の両立も必須となっていました。
従来機は分解しやすい構造である一方、剛性が不足していたため、圧力によって変位したロータがケーシングや固着層に接触。それが異音の原因に。
そこで、分解性を維持しながら圧力差に耐えられる構造と重固着対策を備えたサニタリ仕様のロータリーバルブに更新したところ、異音トラブルが解消され安定運転の実現につながりました。
参照元:フルード工業 公式HP(https://www.fluideng.co.jp/case.html)
ある食品原料の製造メーカーでは、微粉砕直後で高温の粉末を排出する工程において、使用していたロータリーバルブに課題を抱えていました。ロータが熱膨張してケーシングと接触し、ロータや接触部が削れて金属粉が発生するおそれがあったのです。既設バルブはエアシール目的で採用されていたためクリアランスが小さく、高温条件を十分に考慮できていませんでした。
そこで、ロータの熱膨張を考慮しつつ、エアシール性能を確保できる構造とクリアランスで設計したロータリーバルブを導入したところ、接触による損傷や金属コンタミのリスクを抑えることに成功。
高温粉体専用の設計により安定した連続運転が可能となったため、工程の停止や製品ロスの抑制にもつながっています。
参照元:フルード工業 公式HP(https://www.fluideng.co.jp/case.html)
粉ミルクを製造する某企業では、輸送ラインのロータリーバルブ周辺で粉の詰まりや付着が起こりやすく、衛生面への懸念と清掃作業の負担増が課題となっていました。そこで導入したのが、空気輸送配管に直接接続でき、かつブロアの風をローター部に当てることで粉の付着を抑えるサニタリ仕様のブロースルー型ロータリーバルブです。
高い密閉性と省スペース設計により、粉体の安定輸送とライン全体のコンパクト化を実現。内部清掃もしやすい構造のため洗浄時間が短縮され、衛生レベルの維持と生産効率の向上が両立できるようになりました。
高温条件下でも性能を発揮できるよう温度や圧力条件に合わせて設計されているため、粉ミルク専用ラインに適した仕様といえるでしょう。
参照元:片桐鉄工所 公式note(https://note.com/katagiri_tekkou/n/nd1880b3e0776)
本記事では、食品粉末の異音や高温条件での金属接触、粉ミルクの詰まりといった事例を通じて、食品・飲料業界で求められるロータリーバルブの条件の一部をご紹介しました。粉体特性や温度・圧力条件を踏まえた設計に加え、サニタリ性や粉詰まりを抑える構造、安定したエアシール性能などがポイントになります。
こうした性能を長期間発揮させるには、トラブルが起きてから対応するのではなく、予防保全の観点で定期点検とメンテナンスを行うことが欠かせません。日常の点検方法やトラブル要因については、下記ページもぜひ参考にしてみてください。
グリスなどの「コンタミ」を防ぎ、「洗浄時間」を劇的に短縮したい

駆動部と軸受を機内から完全に隔離したアウトサイドベアリング構造を全機種に採用。軸受部のグリスが食品側へ混入するリスクを根本から防ぎ、製品の安全性を確保。
片側支持のサニタリー構造により、工具を使わずに短時間で分解・洗浄が可能。清掃作業の時間を短縮し、ライン稼働率の向上と作業者の負担軽減を実現。
粉体原料の付着や詰まりを防ぐ多彩な対策仕様を搭載。原料変質やライン停止を防ぎ、安定した生産を支える。
高価な製剤の残留ロスを防ぎ、「歩留まり」を改善したい

ローターを簡単に取り外して内部まで洗浄できる構造により、高薬理活性製剤にも対応。洗浄作業を効率化し、品質リスクを抑える。
短時間で簡単に分解・再組立できるため、多品種生産時の洗浄や段取り替えにかかる時間を短縮し、ライン稼働率を向上。
製剤から原薬の空気搬送まで圧力差のある工程にも対応。低圧用・高圧用の2タイプを揃えているのでラインの条件問わず導入可。
国際防爆規格に準拠し、高負荷による「エア漏れ・摩耗」を防ぎたい

世界20,000台超の設置実績(※)とATEX/IECEx準拠設計により、国際プラント設計への承認と安定稼働を両立。設計リスクと保全コストを低減。
高剛性ケーシングと強化軸受による重工業仕様設計で、高圧(~3.5 barg)・高温(~150 °C)環境下でも安定稼働。設計段階でのリスクと運転中のトラブルを抑制。
高差圧でもリークを最小化する堅牢構造により、システム効率を維持しつつ省エネルギー化を実現。安定供給で製品品質のバラつきを防ぐ。